ボトックス注射は、ボツリヌス菌が作り出すたんぱく質(ボツリヌス毒素)を有効成分とする注射治療です。
神経から筋肉への過剰な伝達を抑えることで、けいれんや筋肉のつっぱり、慢性的な頭痛などの症状をやわらげることを目的としています。
脳神経外科領域では、上下肢痙縮、片側顔面けいれん、眼瞼けいれん、痙性斜頸などの疾患に対して、保険診療として治療を行うことができます。
保険適用でのボトックス注射をご希望の場合は、まず診察にて適応を確認し、必要な手続きと製剤の手配を行ったうえで、後日施術を行います。

このようなお悩みはご相談ください
- 脳卒中後などに手足のつっぱり、こわばりがある
- 顔の片側がピクピクとけいれんする
- 両方のまぶたが勝手に閉じてしまう、開けづらい
- 首が勝手に傾く、ねじれる、震えるなどの症状がある
対象となる主な疾患
- 上下肢痙縮 脳卒中後などに生じる手足のつっぱり、こわばり
- 片側顔面けいれん 顔の片側がピクピクとけいれんする状態
- 眼瞼けいれん 両方のまぶたが勝手に閉じる、まばたきがうまくできない状態
- 痙性斜頸 首の筋肉が勝手に収縮し、首が傾く・ねじれる状態
治療の流れ
STEP1
受付・問診・診察
症状の内容、いつから症状があるか、これまでの経過、治療歴、内服中のお薬などを詳しくうかがいます。
そのうえで神経学的診察を行い、保険適用となる疾患に該当するかを確認します。
STEP2
治療方針のご説明
診察結果をもとに、ボトックス注射の適応、注射部位、効果の現れ方、持続期間、起こりうるリスクや副作用についてご説明します。
ご不明な点があれば、どうぞお気軽にお尋ねください。
STEP3
製剤の手配・施術日のご案内
保険適用でのボトックス注射は、必要な手続きや製剤の手配を行ったうえで治療を進めます。
そのため、初回は診察のみとなり、施術は後日となります。
準備が整い次第、施術日をご案内いたします。
STEP4
施術
ご予約いただいた日時にご来院いただき、症状や注射部位をあらためて確認したうえで、必要量を注射します。
施術時間は症状や注射部位によって異なります。
施術後は注意事項をご説明したうえで、ご帰宅いただけます。
STEP5
経過の確認・継続治療
効果は施術後7〜14日ほどで現れ、一般的に約3〜6か月持続します。
症状の変化を確認しながら、必要に応じて継続治療を行います。再施術は通常、3か月以上の間隔をあけて行います。
使用する製剤について
当院では、保険適用のボトックス注射において、グラクソ・スミスクライン株式会社の「ボトックス」を使用しています。

起こりうるリスク・副作用
- 皮下出血
- 注射部位の痛み、熱感
- 軽度の腫れ、しこり、硬結
- 感染
- 注射部位周囲の筋力低下、筋無力症
- 蕁麻疹、アレルギー反応
- ショック、アナフィラキシー、血清病
- 眼障害、閉瞼障害、眼瞼下垂、流涙
- 嚥下障害、呼吸障害、肺炎
- 痙攣発作
- 投与筋以外の遠隔筋に対する影響
症状や注射部位によっては、一時的な違和感や重だるさを感じることがあります。
気になる症状が続く場合は、早めにご相談ください。
治療を受けられない方
以下に該当する方は、安全面を考慮し、施術をお受けいただけない場合があります。
- 妊娠中の方
- 授乳中の方
- ALS(筋萎縮性側索硬化症)の方
- 重症筋無力症の方
- ランバート・イートン症候群の方
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある方
- 高度の呼吸機能障害のある方
また、以下に該当する方は事前にご相談ください。
- 抗血小板薬を内服中の方
- 抗凝固薬を内服中の方
- ステロイドを内服中の方
施術後の注意点
- 施術後2〜3日は、注射部位のマッサージや強い圧迫を避けてください。
- 施術後1週間は、長時間の入浴、サウナ、スチームサウナの利用はお控えください。
- 運動、飲酒は翌日から可能です。
- 再施術は3か月以上の間隔をあけて行うことをおすすめしています。
保険診療と自費診療の併用について
同一の疾患に対する一連の治療として、保険診療と保険外診療を併用することは、原則として認められていません。保険診療との関係については、対象となる疾患及び診療内容を確認した上で個別にご案内します。
よくある質問
保険適用になるかどうかは、どのように判断されますか?
保険適用となるためには、対象となる疾患の診断基準を満たしていることが必要です。症状の内容や経過、これまでの治療歴などを確認し、診察のうえで判断いたします。
どのような病気が保険診療の対象になりますか?
当院では、慢性片頭痛、上下肢痙縮、片側顔面けいれん、眼瞼けいれん、痙性斜頸などが保険診療の対象となります。詳しくは診察時に適応を確認いたします。
効果はどのくらいで現れますか?
答一般的には、施術後7〜14日ほどで効果が現れはじめます。症状や注射部位によって、効果の感じ方には個人差があります。
効果はどのくらい持続しますか?
効果の持続は一般的に3〜6か月程度です。ただし、症状の種類や重症度、体質などによって個人差があります。
どのくらいの間隔で治療を受けますか?
症状の経過をみながら判断しますが、再施術は通常3か月以上の間隔をあけて行います。継続治療が必要な場合は、状態に応じて治療計画をご案内します。
注射は痛いですか?
注射時に多少の痛みを感じることはありますが、多くは強い痛みではありません。注射部位や症状によって感じ方は異なりますので、不安がある場合は診察時にご相談ください。
副作用にはどのようなものがありますか?
皮下出血、注射部位の痛みや熱感、軽い腫れやしこり、感染、注射部位周囲の筋力低下、蕁麻疹やアレルギー反応などが起こることがあります。気になる症状が続く場合は、早めにご相談ください。
今飲んでいる薬があっても治療は受けられますか?
多くの場合は併用可能ですが、抗血小板薬、抗凝固薬、ステロイドを内服中の方は注意が必要です。必ず事前にご相談いただき、受診時にはお薬手帳をご持参ください。